志保は綺麗に光に反射するグラスのワインを眺める。
昴の笑顔が脳裏によみがえる。
柔らかそうな髪の毛にグレーの瞳。
自信たっぷりに笑う姿に思わず見惚れてしまう。
見かけによらずしっかりした腕で、
胸板も結構 男らしくて
ーー唇も優しかったけど、熱をもって奥までキスされた時は
本当にドキドキしたーーー
って、なんてこと思い出してるの。私っ。
思わず赤くなる顔に一人で焦って
顔を両手で隠す。
「え?何?
何かあったの昨日のホテル??」
「ぇへえっ?」
声が不自然に裏返ったことに志保自身が驚いて
あわてた。
「・・・へぇ。」
建志が意味ありげにニヤリと笑う。
ーーその笑みが怖いってばっ。

