御曹司なんてお断りっ◆


「そうなんだぁ!
 昴お兄ちゃんにはいつもお世話になっています。」

美月はぺこりと頭を下げた。
志保はちょっと困ったように笑ってから、
軽く頭をさげた。


か…彼女ってわけじゃないんだけどーー


否定できない雰囲気に志保は戸惑う。
ソレを察して建志はニヤニヤと面白そうに笑っていた。




「では、お騒がせいたしました。
 ごゆっくりどうぞ。」

神路さんと美月が軽く会釈して
席から離れた。


「はぁ。」

なんか、勘違いされたけどーー
『恋人』否定すればよかったな・・・

なんだか、もやっとした感情に志保は重いため息を漏らした。

「くすくす。志保!
 そんなに気にすることないんじゃない?
 別に、嫌いなわけじゃないだろ?

 それに、付き合ってしまえばいいじゃん?」

「---建志。」

建志の言葉に眉をひそめる。