知らないベッドの上で、思わず身なりを確認する。
きちんとつけられたブルーのワンピースが
少ししわになっている。

なぜだか、
心が痛む。



そして、
ぐるりと部屋を見回す。


なんの気配もなく、
シンとした静まり返った部屋で
耳鳴りがして

頭が痛くなる。


この頭痛は昨日のお酒かどうか・・・

なんて思いながら
ベッドルームを後にすると、
カウンターの上には二つのグラスが
置かれていて、


その横に


『おはよう。
 朝食はルームサービスを取って。

 支払済みだから キーはそのままカウンターにかえして

                昴』


と書かれた紙。



志保は夕べのことを
完全に事細かに思いだし
かーーっと顔が熱くなるのがわかった。


ーー私っ。



なんて失礼なことしたのかしらっ--