ふと、志保が手を滑らせて
グラスが落ちる。

「きゃっ。」

「あっ」

ばしゃっ。


「志保。大丈夫?」

下は絨毯のため、グラスは無事だ。
中身が少なかったため、
志保にもかからなかったようだ。


「大丈夫。ごめんなさい。片づけますー」

「いいよ。俺がーー」


二人のグラスを拾おうと
しゃがんだ手が
絨毯の上で触れ合った。


思わず、二人とも手をぱっとひっこめた。