御曹司なんてお断りっ◆



「好きだよ。一緒にいたいと思ってる。」

駆け引きは好きじゃないし
どうあがいても、この言葉しか出てこないので
あっさり口に出してみた。


女性ってこういうの口にしてほしいってタイプ多いよなぁ



「え?」

志保は、軽くほほを赤くして、まだ残っているデザートに目を落とした。


「俺は、いつも志保のことが気になるよ?」

ダメ出しで言葉を付け加えてから
俺は志保からの返事を待った。


「あのっ。
 ……私は、昴さんのそういう
 『女に慣れている』発言が…困る…

 どう返事をしていいか。
 どうとらえていいか。

 こういえば、女って喜ぶんだろ?みたいな発言が
 なんか…」

志保は口ごもる。

俺も、口ごもる。

確かに、『女性』ってこんなの好きだろうなって
思って発言してたりしていたかも。

志保の心に届いていなかったんだなと思って
これは、かなりへこむ。反省。

「なんか、ゴメン。」

「あ。違うくてっ。」

志保はあわてて顔を上げる。