「おいしそうですね~」
デザートの前には志保も少女になるらしい。
目を輝かせて、デザートをおいしそうに食べた。
「ねぇ。志保。お願いがあるんだけど?」
「はい。」
「いい加減、敬語やめてよ。」
「え?」
「もっと、志保を近くに感じたいから、
敬語はやめてほしいな。」
志保は、少し困ったような表情でデザートフォークを置いた。
「あの…昴さんは…私のことどう思ってるんですか?」
「……敬語。」
俺は、質問の意味にも敬語にも腹立たしくなって、
冷たく言い放つ。
「昴さんは、私のことどう思ってるの?」
志保があらためて言い直した。
「わからないの?」
俺は、意地悪く質問を返した。
志保はまた困ったように
少し微笑んで
「さぁ?」
と曖昧な返事をした。
あぁ。俺ってこういう駆け引きって苦手なんだよなぁ。

