御曹司なんてお断りっ◆


「おいしそうですね~」

デザートの前には志保も少女になるらしい。
目を輝かせて、デザートをおいしそうに食べた。


「ねぇ。志保。お願いがあるんだけど?」

「はい。」

「いい加減、敬語やめてよ。」

「え?」

「もっと、志保を近くに感じたいから、
 敬語はやめてほしいな。」

志保は、少し困ったような表情でデザートフォークを置いた。

「あの…昴さんは…私のことどう思ってるんですか?」

「……敬語。」

俺は、質問の意味にも敬語にも腹立たしくなって、
冷たく言い放つ。


「昴さんは、私のことどう思ってるの?」

志保があらためて言い直した。

「わからないの?」

俺は、意地悪く質問を返した。
志保はまた困ったように
少し微笑んで

「さぁ?」

と曖昧な返事をした。

あぁ。俺ってこういう駆け引きって苦手なんだよなぁ。