御曹司なんてお断りっ◆


もう、建志ったらわざわざ誤解をさせるんだから。
いつもそうだ。
私に近づく男性にちょっかい出して・・・


「あのぉ。違うんです。」

「違うの?あいつは、一緒に住んでないの?」

黒田課長がまっすぐ見つめる。


「住んでますけど。
 それはーー」

「そっかーーー。」

黒田課長はそのまま
はぁ。っとため息を床に吐く。

「課長、だから電話にでたのは、建志・・・」

「建志っていうんだ?彼。

 はぁごめんな、田中さんは優しいから僕が…

 上司が誘ったから断れなかったんだな?」

黒田課長は頭をポンっと撫でた。


「でも、
 
 僕もあきらめないから、上司命令だと思われてもいいから…」
「だから・・・」

「田中さん、今日--地下駐車場に6時に待ってるよ」



それだけ言うと、
くるっと回れ右をして廊下を後にした。

「ちょっと、課ーー」



残された私は呆然と背中を見つめた。



「---だから、建志は兄です。」

つかれた声は届かなかった。