御曹司なんてお断りっ◆



「先日は、ご馳走様でした。」

深々頭を下げた。
先日の食事は本当おいしかったし。

「いやいや、僕も楽しかったです。」

つられて
黒田課長も深々と頭を下げる。
そして、少し照れたように笑った。



「また、田中さんと一緒に行きたいな。
 今夜とか暇?」

「いえ、今日は…」

さすがに、家に帰って建志にこの携帯電話を返さなきゃ。
ちらりと携帯電話に目をやる。

女の子の着信ばかりの電話。
まったく、一言文句を言ってやらなきゃ。

「………
 やっぱり…彼が気になるの?」

「え?」

「だって、田中さん…食事中も電話が気になってたし

 電話が来たら、僕の目の前でとっちゃうし、
 
 電源落として。っていったら、
 あれ、『上司の前』だから電源落としたんでしょ?」

黒田課長は苦笑した。

「いえ、そういうわけでは…」

というけど、
なんだか、いい言葉が思いつかない。。。
思わず黒田課長を黙って見つめる。



「極め付け。
 

 田中さん、今日携帯電話を忘れたでしょ?」


「え?」

握りしめている携帯を落としそうになった。