御曹司なんてお断りっ◆


「もしもしーー」
『もしもし。建志様の携帯電話でよろしいでしょうか?』



やけに上品な女性が出た。


「あ。すいません。
 建志の携帯ですが…本人がいませんので折り返しでも
 よろしいですか?」

『はい。…あ、いえ…
 以前、助けていだたきましたお礼をと思いましたので・・・
 再度こちらから
 お電話をかけさせていただきたいのですがーーー

 よろしいでしょうか?』


「どーぞ、
 お気を使わせ申し訳ありません。」

妹だと名乗らなかったのは、建志へのささやかな抵抗。


失礼いたします、と言ってその電話は切れた。


多分、予測なんだけど…『お茶』さんは、
お茶とかお花とかしてそーな上品美人ってことでお茶??


なんて、勝手に妄想して、
我が兄のネーミングセンスを疑った。



もう、電話はとらないでおこう。

そう決心して、席に戻ろうと振り返ると…

「田中さん。」

「・・・黒田課長。」

いつもの優しい笑みを浮かべた黒田課長。