「そうですか、建志が私の夫と思ったんですね。
 私が結婚していると…

 なるほど、
 
 誰かもわからない、建志の言葉を信じたということですね。」

「いや、その…
 あまりにも、腹が立って・・・・」

「建志の売り言葉を、あっさりと買ってしまったと?
 
 そうですか、
 
 昴さんには、私は結婚してても、誰か別の男と食事をしたり、
 こうしてコーヒーを飲んだりする女に見えると?」


「ちがっ!!何だよソレ。」

ちょっとムッとする。

志保は、ムッとした俺に、
顔をしかめて、そのまま立ち上がる。


おもむろに
カウンターにいる正樹兄ぃに会釈する。

「川端さん。ご馳走様でした。」

「あ。はーい。お会計は…」

あっさり、
レジを済ませる。

「ちょっと、待ってよ志保。」

俺はあわてて駆け寄る。

なんだか
よくわからないが、志保を怒らせてしまったことだけはわかる。

白いブラウスの肩を引き寄せて
俺のほうに引き寄せるが、

あからさまに、視線をそらされた。


結構ショック。