駅を出たすぐ目の前に

私が通う大学がある。


この大学が駅名になるほど、

ここの地域では

特別な存在のようだ。


大学構内に入ると、

真っ先に掲示板へと向かう。


そんなことは

まずないだろうけれど、

念のため休講かどうかの

確認をしておく。


これだけのために

大学に来ているのに、

休講になっていたら

全くの無駄足だ。


「よかった。休講じゃない」


ちゃんと講義が行われることに

胸を撫で下ろす。


朝のラッシュに

なんとか耐えたことが

少し報われたような気がする。


そして、その足で教室へと向かう。


校舎最上階である

5階へエレベーターで行き、

いくつか連なる小部屋の中から

『504』と書かれた

部屋のドアを開ける。


何のためらいもなく、思い切り。