どれもこれも

初めて訊く事実に、

私は目を丸くしたまま

動けない。


幼い頃の敦とは

よく遊んでいたのに、

優の存在なんて、

その当時、微塵にも

感じることがなかった。


でも、その当時から

私の近くには

敦と優がいたんだ。


「でも……」


それまでとは違う様子で

敦が語り始める。


「このまま曖昧な関係を

 続けるのはお互いに

 よくないと親たちが判断して、

 俺たち家族が

 小学校卒業をきっかけに

 引っ越したんだよ」


敦の言葉に優がこくんと

頷いて口を開く。


「そして、俺の家族も

 隣町へ引っ越したんだ」


「だから、優が

 この辺りにいる確証が

 あって俺はここに

 戻ってきたんだ」