生き別れた『兄』が

どうしてこの場所にいる

なんて確証があるのだろう。


日本は狭いようで、

広いはず。


私の疑問を見透かすように、

敦はそのまま言葉を続ける。


「優のことを親から

 打ち明けられた時、

 こうも言われたんだよ。

 『優の家族は、未だに

 俺ら家族が前住んでいた

 場所の近くに

 住んでいる』って」


敦が言い終わるのを

待っていたかのように、

今度は優が話し始める。


「俺の両親と敦の両親は、

 昔からの親友で

 家も近かったんだ。

 だから、敦を預けて、

 しばらくはお互いに

 行き来できるように

 していたんだ」