敦自身?


それとも、

敦にあった優しさ?


ゆっくりと顔を上げ

澪の顔を真っ直ぐ見てから

小さく呟く。


「“私が求めていたもの”……」


「そう。それを考えたら、

 きっとアヤの中に

 答えが出てくるはずだよ」


そう言うと

澪は優しく微笑んで、

残りのコーヒーを飲み干した。