紗和さんは、

甘ったるい声を出して

敦に蔦のように腕を絡ませる。


そんな紗和さんに、

敦も負けじと甘い笑顔を見せて、

口を開いた。


「分かったよ、紗和ちゃん。

 ちゃんと紗和ちゃんとの時間、

 空けとくね」


「もう、絶対だからね。

 絶対よ。ユウは

 紗和だけのユウなんだから!」


その言葉に敦は口を

紗和さんの耳元に近付けて

何かをそっと囁いた。


一瞬のうちに紗和さんの頬が

鮮やかなピンク色に染まっていく。


「ユウ大好き!

 絶対、約束だよ」


紗和さんがにっこりと笑って言うと

敦もまた大きく頷く。


そして紗和さんは、

側にいる私を

一瞥したかと思うと、

「ダッサイ女」

とすれ違い様にそう言い捨て

去っていった。