「ユーウちゃーん!

 こぉんなトコロで

 見つけちゃった」


敦を愛しそうな潤んだ目で

見つめて女性が言う。


本当に嬉しいのだろう、

その表情はどう見ても

恋する女の顔だ。


ただこの人―――


今、敦のことを何て呼んでいた?


呆然と立ち尽くす私を

そのままに敦は

身体に回された腕をそっとはがす。


「イキナリ何かと思ったよ、

 紗和(さわ)ちゃん」


“紗和ちゃん”と

呼びかけられたその女性は、

今度は敦のすぐ横に

ひょいと移動してなおも口を動かす。


「だってぇ。

 渋谷でユウに会えるなんて

 思わなかったんだもん。

 嬉しくなっちゃって、

 紗和、抱きついちゃった!」


「俺も紗和ちゃんに

 会えるなんて運命感じちゃった。

 でもゴメンね。

 今、このコとデート中なんだ」