鏡の自分に言い聞かせる。


そうだ。


限界を感じたら

さっさと帰ってきてしまえば

いいだけの話だ。


小さくこくんと頷くと、

私は側に置いてある

バッグを手にした。


その時だった。


敦が来たことを知らせる

インターホンが家に鳴り響いた。