10年のブランクなんて、

敦の中には全くなさそうだ。


「もちろん。そのつもりで

 ちゃんと敦くんの分も

 用意してあるわよ」


母親もまた敦と同じようで、

満面の笑みを浮かべて

そう言うと足取り軽やかに

キッチンへと向かっていった。


「よっしゃ。

 彩加のおばさんの料理、

 美味いんだよなー」


よだれが出てきそうな

口をしながら、敦が呟く。


あの頃の母親の手料理は

手が込んでいてとても美味しく、

私の自慢の一つだった。


ただ、今の料理は

そこまでのものでは

なくなってしまったけれど。