「彩加の携帯、

 赤外線出来る?」


「出来るけど……」


「じゃ、赤外線でこっち送って」


赤外線なんて

一度もやったことのない私は、

自分の携帯にも関わらず

上手く赤外線通信モードに

切り替えられない。


それを見ていた敦が

たまらず「ちょっと貸せ」と

私の携帯を手に取ると、

まるで手品を見ているかのような

鮮やかな手つきで

ものの10秒で操作を完了させた。


「ほれ。

 もう俺の番号ちゃんと

 入ってるからな」


「あ、ありがと」


私の手に戻された

携帯電話の画面には、

ちゃんと敦の名前と番号

そしてメールアドレスが

表示されていた。