私の知ってる敦じゃ、

ない。


あの頃の敦は、

その目から想像できないくらい

瞳の奥にいつも

優しさが感じられて、

鈍くさい私を

いつもふわりとさりげなく

フォローしてくれて、

いつも私にとろけるような

甘い笑顔を見せてくれた。


それなのに……。


今、私の目の前にいる敦は

瞳の優しさは感じられるけれど、

あの頃とは全く

別人になってしまっていた。


カッコよく着こなす

スーツ姿とは真逆に近いほど

軽い男へと変わっていた。


可愛い女の子が目に入ると

すぐに声をかけてしまいそうな

ほどに。


実際この会場内でも、

敦は可愛く変身した

女の子へと近付き、

でれでれとした顔をしながら

女の子の肩を抱いている。


素朴で温かい

敦ではなくなってしまった。