神谷も俺とは正反対の人間だ。


「もー!!この前も数学貸したじゃん!」


「ごめんごめん!!」


「次こそは貸さないから~っ」


「は~いはいっ」



俺はしばらく二人を見ていた。


いつのまにか、雑談を始めたようで、


お互い笑いあっている。


ハタから。見れば付き合っているようだ


杏梨は、アイツが好きなのか?


なんだかムシャクシャしてきた。




「おい、杏梨―――。」



気づくと俺は、


二人を邪魔するかのように


杏梨に話しかけていた。