「待ってください!特別クラスのこと教えてください。」


「…教室入れば分かるよ。」


もう、何で教えてくれないの〜。

「うぅ、分かりました…。あの、名前何て言うんですか?」


「二年七組桐島輝(きりしまひかる)。あんたは?」

「水瀬優衣(みなせゆい)です。」

「優衣ね。高校生活楽しくなるといいな。」


「はい!あ、案内してくださってありがとうございました!」

私は感謝の気持ちを込めて頭を下げた。

「どーいたしまして。」
桐島先輩?は軽く微笑んでから階段を降りていってしまった。


………。
「よしっ!」

私は桐島先輩の背中を見送ってから一年A組の教室まで歩いた。


私は一年A組のドアに手をかけた。


ガラガラッ。


え、……。

「うそ…。」


私は自分の目を疑った。そこには信じられない光景が広がっていたからだ。

教室の中には男子しか見えない。

え、えっ、ここっ、男子校〜?!

教室間違えたかな…?

私はもう一度一年A組の表札を確認する。

何度確認してもやっぱり一年A組。


「おぉ、水瀬。ここまでちゃんと来れたんだな。お前の席そこだから早く座れ。」

教卓の前に立っている担任らしき人が空いている席を指差す。


「……はい。」


私は恐る恐る教室に入り言われた通りに席に座った。

周りの視線が一気に私に集まる。

何で何で何で〜〜〜〜?!

意味分かんないんだけど…

特別クラスって男子クラスってこと!?

いや、でも私女だし…

あ〜もうっ!
本当わけわから〜ん!!

私以外に女の子いるかも!
私はキョロキョロと辺りを見渡し必死に女の子を探す。

…………いたっ!!


一番後ろの廊下側の席にショートカットで眼鏡をかけた女の子を見つけた 。


「良かった〜。」

はっ、思わず声に出ちゃった。

「何が良かったの?」

隣に座っている男子に話しかけられた。


「えっ、いや、何でもない…です…。」

私は目を合わさずに答えた。

「何で敬語?」

隣の男子は少し笑いながら言った。

「いや、別に…。」

私は相変わらず目を合わさず下を向いた。

「ふ〜ん。」

隣の男子は何か不満そうな返事をして前を向いた。