用意周到、って訳ね。
「俺、お腹空いてるんだよね。
だから、依茉の血を啜りたい欲望で頭の中一杯なの」
そんなの…
「美味しいかどうかなんて分からないよ?」
もうダメだと感じながら精一杯の虚勢を張る。
最後まで、抵抗をやめるなって本心が叫んでるんだ。
「大丈夫、美味いよ。
さっき、虫を退ける口実の時に味見したからね」
皐月くんはニヤッと笑う。
「…そうだったんだ」
虫が付いた跡があるから
私が嫌な思いをするといけないから
と言って舌を這わせたのは真っ赤な嘘。
私を味見する為だったんだね。
「もう、質問は後で良い?」
皐月くんはまた一歩私の方へ近寄って来る。
