緋と微熱と狂想曲【上】






何を意味するかなんて分かる訳が無い。



それを知りたいとも思わない。



この状況に置いて私が望む事。



それは今、この時、この場所で起こっている出来事を出来るだけ白紙に戻す事。



これ以上、皐月くんが言う事を肯定させない事──。



「その紋章は俺の飼い犬になる証。

言わば、その紋章がある限りお前は俺の奴隷状態って事だ。

簡単に言えば軟禁だな」



「そ、そんな軟禁って…」



犯罪じゃない!



私は手を背中にまわして服の上から擦ってみる。



今は痛い所も特に無いし紋章らしい物があるとも到底思えない。



だけど、



「だから、人間の目に見えるもんじゃ無いって言ってるだろ」



皐月くんは私の期待をあっさりと打ち砕く。