そう、言われれば
…確かに。
皐月くんの説明に妙に納得してしまう私がいた。
「それと一緒。
街角をふらりと歩いていたら、丁度俺好みの甘い匂いがして…
匂いを頼りに辿り着いた人間がお前、依茉だったって訳」
「っ、」
「剰りに美味しそうだったから集中して姿を捉えてしまったよ。
…お前が感じた強い視線って言うのは多分その時の俺だ」
そうだったんだ。
それじゃ、私は皐月くんに声を掛けられる前から…
視線を感じる前から…
既に皐月くんの歯牙に掛かってたって訳か。
「逃げても無駄だよ。
今、依茉の背中には見えないけど吸血鬼の紋章を刻み付けてある。
これが何を意味するか分かる?」
その言葉に私はふるふると首を横に振る。
