「無理だよ、もう依茉は俺に契約されてる」
え…っ。
「契、約…?」
「そう、契約」
皐月くんは無表情のまま言葉を繰り返した。
「依茉が俺の正体を知って逃げ出そうとする事なんてハナから想定済みだし。
さっき、手早く儀式を済まさせて貰ったよ」
「儀式…」
って何!?
「忘れて無いとは思うけど、さっき店に入る前
此処で依茉の背中に付いていた虫を俺が取ったの覚えてる?」
「覚えてる、けど」
それが一体、どうしたって言うの?
「あの虫、依茉から取ってあげたのも俺だけど
依茉に付けたのも俺なんだ」
「ええっ!?」
そんな、全く…
全然気が付か無かった。
