怖い、怖い、怖い!
「嫌っ…!」
私は皐月くんから伸ばされた手を振り払った。
そのままずるずると後退りをする。
後ろは大通り。
このまま一気に振り向いて駆け出して、叫んで助けを呼べば…
逃げられる。
私は皐月くんから目を逸らさないで一歩ずつ足を後ろへと引いて行く。
身体の震えが止まらない。
「逃げるつもり?」
皐月くんはニヤッと笑う。
まるでそれが不可能だとでも言う様に。
「そ、そんな事っ…」
「図星でしょ?」
「っ、」
言い返せ無かった。
心が読まれている、そう感じた。
皐月くんの漆黒の瞳に見つめられて、
何もかも自分の中の感情を見透かされている様な気がした。
