「人間は愚かだ、吸血鬼の存在を頭から否定する。
今までお前もそうやって生きて来たんだろ?」
突き刺さる様な視線。
皐月くんは私をバカにしているかの様に見下ろしていた。
否定して、生きて来たって…
「それじゃ、皐月くんは吸血鬼だって言うの!?」
信じたく無かった。
否定する処か考えた事すら無かった。
小説や映画の中にしか存在しない者だと信じてやまなかった。
人の生き血を吸って生き永らえる御伽噺の中の吸血鬼。
まさか、本当にこの世界に存在するなんて…。
「嘘っ…」
「まだ言うの?
まあ、実際に血を吸われてみればそんな事は言えなくなるだろうけど」
“ねぇ、依茉?”
皐月くんは妖しく微笑んで私の肩に手を添えた。
