緋と微熱と狂想曲【上】





答えは当たり前の如く、一つしか残されていなかった。



最初から選択肢なんて私には無かったんだ。



こくり、と小さく頷く。



それは了承の合図だった。



「じゃあ、依茉。

早速だけど俺に依茉の血を啜らせてくれないかな?」



皐月くんは単刀直入にそう言った。



血…、



私の血を…




啜らせて…!?



「な、何言ってんの…

皐月くん」



可笑しいよ、いきなりそんな事言うなんて。



私は皐月くんのシャツから手を離した。



「俺が可笑しい事言ってるって、そう思ってる?」



皐月くんの目がきらりと光った様な気がした。



「だ、だ、だって…」



そんな事、普通誰も言わない。



仮に冗談だとして、今こんな雰囲気の中で言う事じゃ無い。