「怖がらなくて、良いよ。
食う事はしないから」
「え!?」
“食う事は”?
それってつまり──
“食う”以外の事はするって事!?
がばっ、と顔を上げて皐月くんの顔を穴の空く程見つめる。
もう気分が悪いだなんて言っていられ無かった。
早く、この人から離れなければならない。
直感がそう告げていた。
「依茉はちゃんと俺との約束、守るよね?」
それは今日一日の私が皐月くんに掛けた全体の迷惑事が背後に潜んでいた。
奢って貰った代わりに、偽者彼氏の代役をして貰う代わりに
条件を呑むと私は確かに約束した。
でも今になって、それが怖くて仕方が無い。
ちゃんとあの時に聞いておけば良かった。
条件とは、一体何なのか。
皐月くんが私に何をさせるつもりなのか。
