緋と微熱と狂想曲【上】






「ちゃんと答えて、皐月くん。

さっき此処に私を連れて来た時…

私の体に何をしたの!?」



明らかに体の中で異変が起きている。



震える声を口にして、目の前の皐月くんが着ているシャツの袖をぎゅっと掴んだ時。



「…勘の良い女はこれだから面倒臭い」



それは耳を疑う様な言葉だった。



「皐月、くん…?」



皐月くんの顔が見れなくなって
私はシャツを握る手の力を強め、代わりに首筋を見つめた。



今、何て──?





「でも、だからこそ前以て念には念を入れといたんだけどね」



皐月くんはクスクス笑った。



念には念を、って何の事──?



皐月くんは私の背中に片腕をまわした。



私は反射的にびくっと身体を震わせる。