緋と微熱と狂想曲【上】





「そうじゃ無くて、その前から私の事見てたでしょ?」



襲いくる動悸の苦しさに息も絶え絶えになりながら迫った。



「何それ、依茉って結構自意識過剰なんだね?」



皐月くんは見下した様な視線を私に向ける。



「っ、」



普段の私なら何て恥ずかしい事を口にしたんだろう、と頬を赤くしてしまう。



でも今の私は違う意味で顔が火照っていくのを感じていた。



ズキッ、



その時、背中に焼ける様な痛みが走り。



続いて首筋がジリジリと痛み出した。



「っ、」



その痛みに顔を歪める。



痛みは一瞬で私の中から過ぎ去った。



だけど、心を渦巻くもやもや。



頭の中に浮かび上がってくる疑問だらけの符号。



そして何処から来るものか分からない計り知れない恐怖感。