幾ら何でもそこまでして貰う訳にはいかない。
本当に。
今日は一日迷惑掛けっぱなしだ。
こんな見ず知らずの私の為に、これ以上皐月くんの貴重な時間を削らせる訳にはいかない。
「何で?
送られるの嫌?
危ないよ、女の子一人夜道を歩かせるなんて」
嫌じゃ無いけど…
確かに危ないかも知れないけど…
それでも。
「だ、大丈夫だもんっ!」
私は繋いでいた手を皐月くんの手の中から抜き取ってそう言った。
走って帰れば良いだけの事だし。
それに、私男に対してガードは強くしているつもり。
交通事故にさえ気を付ければちゃんと一人で帰れるもん…。
「ったく、強情なんだから」
そんな私を見て、皐月くんは少しだけ怖い顔になった。
