「ん、協力有り難うね」



そう返事をして私達は部屋を出た。







『お二人様で会計1650円になります』



レジの前に着くと、先程と同じ店員さんが迎えてくれた。



「俺、出すよ」



またしても財布からお金を取り出すのにもたついていた私を見て皐月くんは千円札を二枚、店員さんに渡した。



そんなっ、



「悪いよ…っ!」



無駄に付き合わせて、彼氏のフリまでして貰ったのにカラオケ代まで…。



納得がいかない私の顔を見て皐月くんは言った。



「どうせなら最後まで彼氏らしく、ね」



ウインクして見せる皐月くんに私はドキドキが止まらない。



「本当に、有り難う」



私は小さく俯いてお礼を言った──。