「無理しない方が良いんじゃない?
足、痺れてるんでしょ」
半ば呆れて、でも悪戯っぽく笑みを含んだ声。
そんな他愛無い仕種にも、皐月くんにはキュンとさせてしまう力がある。
『この後、デートしない?』
『きゃー、行く行くっ!』
『癸もデートしたぁい』
『じゃ、癸ちゃんは俺と!』
私と皐月くん以外の皆は早々と部屋を出て行ってしまい、遥か前方の方からそんな会話が聞こえてきた。
全く、本当に私と皐月くん此処に何しに来たんだろ?
「はぁ…」
私が溜め息をついたのと皐月くんが溜め息をついたのはほぼ同時だった。
「やっと終わったね」
皐月くんは私の手を引いてゆっくりと歩き出す。
