緋と微熱と狂想曲【上】





『えぇーっ、何それ!
アタシだってこのカラオケに良く来るのに
有賀くんの事見掛けた事無いよー!?』



『アタシもー!
今日初対面なんだけどっ!』



癸ちゃんと恵ちゃんはきゃあきゃあ騒ぎ立てる。



う゛っ、やっぱこの店の前って無理があったかな?



額には冷や汗が浮かぶ。



いやいや、でも出逢い方は置いといて、出逢った場所は此処で間違え無いんだし!



私が堂々としてなくてどうするのっ!



ぷるぷると首を横に振ってグラスの中の烏龍茶を半分まで飲んだ。



「それって、何か運命的な出逢いだよねー」



和夏がふぅ、と息をついて皐月くんの事を見つめる。



「え…?」




私は和夏に視線を向ける。