緋と微熱と狂想曲【上】






「そ、そんな事したら皆にバレちゃうよ…っ」



「平気だよ、こんなに騒がしいんだし」



皐月くんは耳を塞ぐ真似をして見せた。



そ、そうかもだけどっ!



「依茉はこんな場所にいつまでもいたいの?」



「そりゃいたく無いけどっ…」



でも、約束したもん。



「合コンが終わるまでは一緒にいてくれるんだよね?」



おずおずと訊ねると、



「まぁ、それは約束したしね」



皐月くんは面倒臭そうな顔になった。



「…っ」



本当は皐月くんの言う通り一緒にバックレれば良かったのかも知れない。


だけど、この部屋を出たら終わっちゃう。



皐月くんの彼女としていられる時間が。



当たり前の事なのに、何でだろ。



私、それが凄く嫌だって思ってる。