「そう、私歌いたく無かったの。
だから皐月くんがああ言ってくれて本当に助かった。
有り難うね」
素直にお礼を言う。
「どう致しまして」
皐月くんは画面を見たまま、そう答えた。
「何だか、俺も依茉も此処に来た意味無かったんじゃない?」
確かに…
言われてみれば、あれだけ私に来る様にと言っていた和夏も今や全く私の方なんて見ていない。
「そうかもねっ」
私は苦笑いした。
「何なら、このままバックレちゃう?」
皐月くんは私を見てニヤッと笑った。
「っ、」
その悪戯っぽい笑顔が格好良くてドキッとしてしまう。
こんなの、変だよね。
皐月くんとは逢ったばっかりなのに。
