緋と微熱と狂想曲【上】





「ほら、飲み物でも飲めば?」



いつの間に注文していたのか、皐月くんが烏龍茶の入ったグラスを私に渡した。



「有り難う」



私はそのグラスを受け取って一口飲む。



緊張感が少しずつ解れてゆく様な気がした。



『ねー、依茉ちゃんも皐月くんも歌いなよ!』



恵ちゃんがマイクを差し出してくる。



えー…。
こう言うの苦手なんだけどな。



差し出されたマイクを受け取るのを戸惑ってしまう。



『今、但馬が歌ってるからさー。
有賀くんの歌う所見てみたいし!』



『あ、私もー』



恵ちゃんの横から癸ちゃんがひょこっと顔を出した。



そ、そんな事言われても苦手なもんは苦手なんだよー…。



手に握るグラスへの力を強めた時。