緋と微熱と狂想曲【上】





「ヘマはしないよ。

だから依茉も合コンが終わってから言う、俺の条件ちゃんと呑んでね」



「…分かってる」



「そ、なら良かった」



皐月くんはにこっと笑った。



「じゃ、入ろっか」



その言葉を合図に私は小さく頷いて
部屋のドアノブをまわした──。















ガチャッ、



ドアが開いたと同時に集まるのは皆の視線。



私は緊張の余りその場に固まってしまう。



皆、遅れて来た私と皐月くんの事を食い入る様にして見ている。



「っ、遅れてごめんなさい…」



私は小さな声でそう呟くと深々と頭を下げた。



部屋の中には誰かが歌う筈の曲のイントロだけが流れている。