真っ赤に染まった顔を両手で隠す私を見て皐月くんはクスクス笑った。



「そんなに恥ずかしがらなくても」



「恥ずかしいものは恥ずかしいのっ!」



私は皐月くんからぷいっと顔を背ける。



「まあとにかく、早く和夏ちゃん達の所に行かねえとな」



皐月くんのその言葉に、



「そうだったっ!」



私は本来の目的を思い出す。



「じゃあ、ここから先は彼氏って事で宜しくね?」



私は真剣な顔をして皐月くんを見上げる。



「了解」



皐月くんは私の手を握ってくれた。



「それじゃ、行きますか」



皐月くんが私の手を引いて歩き出す。



カラオケ キューブ。


合コン会場へ…



皐月くんが言った言葉で一つだけ聞き落としたものがある事を私は思い出せずに――