確かに、虫の足って何か棘の様な物が生えてるし肌に触れるとチクチクするかも。



私の知りたかった事が次々と明らかになっていく。



“良い事”って虫を取ってくれる事だったんだ…。




「虫を取った後、少しだけ依茉の首筋を舐めた」



い゛っ…!?



舐、舐、舐めたっ!?



「虫が肌に付いてた感触が残ると嫌かなって思って。
勝手な事しちゃったけど…
嫌だったらごめん」



少し、しゅんと項垂れる皐月くん。



「ううん、有り難う」



私は笑顔でお礼を言った。



だって私、嫌じゃ無かった。



確かに初めての感覚に戸惑ったけど。



優しい皐月くんが私の事を思ってした事だって分かったら、寧ろ嬉しくなっちゃうんだ。



そりゃあ、まあ恥ずかしいから私の顔は真っ赤になるけどっ…!