緋と微熱と狂想曲【上】





前を向いたまま首を傾げていると。



「もう振り向いて良いよ」



さっきと変わらない皐月くんの優しい声がした。



「皐月くんっ!」



それを聞いて私は勢い良く後ろを振り向く。



皐月くんは私と目が合うとにこっと微笑んでくれた。



“今、何をしたの?”



そう聞きたくても声が出ない。



何だか聞いてはいけない様な気もしたから。



そんな私の言いたい事が伝わったのか皐月くんは言った。



「これ、付いてたから」



皐月くんは右手を開いて見せる。



…何だろう?



私は皐月くんの手を恐る恐る覗き込む。



そこには…



「何、これぇーっ!?」



私は絶叫してしまった。