「…もう振り向いても良い?」
私は皐月くんに小さな声でそう訊ねる。
「いや、もう少し待って…」
皐月くんがそう耳元で囁く。
するとまた、小さな痛みが走った。
今度は背中では無くて右の首筋だった。
「ひゃ…」
私は声を上げる。
今度も痛みは一瞬で。
でもさっきと違う感覚が首筋を巡ったから。
何だか生暖かくて、それでまるで生き物の様なもの。
だけど何だか身体の奥が、じんじんとしてきて熱い──
ぎゅっと目を閉じてその得体の知れない感覚に耐えていると。
暫くしてその感覚は失われた。
何だったんだろ…?
今の。
