路地裏に入ってしまえばもう、人気の少ない事、少ない事。
後ろで流れ歩いている通行人の多さが嘘みたいだ。
そう言えば小さい頃、お母さんが言ってたっけ。
“路地裏は人が少ないから気を付けなさい”
“何をされても分からないわよ”
って。
この事か。
確かに人が少ないし、此処に悪い人に引き摺り込まれたら何されても
きっと誰も気付かないだろうな。
うん、今理解した気がする。
怪しい人に呼ばれたら絶対に路地裏には付いて行かない様にしよう!
心の中で、そう決めた。
路地裏に入ると皐月くんは歩くのをやめてぴたっと足を止めた。
私の手を離して私の方を振り返る。
「皐月くん?」
