「あのさ、店入る前にちょっと
そこの路地裏行って良い?」
え!?
「良、良いけど?」
「なら良かった、有り難う」
皐月くんはそう言うなり、今度は私の腕を掴んで路地裏に入って行った。
もう店に入る所まで来てたのに、一体皐月くんどうしちゃったんだろ?
私は皐月くんに引っ張られながらカラオケ キューブの店の前を通り過ぎるのをただただ傍観していただけだった。
疑問に思っている事を言えば良かったのに。
“何で合コンが終わった後じゃダメなの?”
“何で今じゃなきゃダメなの?”
って。
だけど皐月くんの態度を損ねてはいけない気がして、私は自分の感情を押し殺していた──。
