緋と微熱と狂想曲【上】





良い物…?



カラオケで美味しいジュースを頼むって事かな…?



ってそうじゃ無くてっ!!



皐月くんの珈琲が380円で私の頼んだメロンソーダが450円。



これは何としてでも私が支払わないと…っ!



「皐月くん、お金!」



「だから、良いって言ってるだろ!
大人しく奢られとけよ!」



皐月くんは足を止めて少し苛々した顔で私の方を見た。



「っ、ごめんなさい」



私はしゅんとなって皐月くんの腕を掴む手を離す。



「…ごめん。
怖がらせるつもりは無かったんだけど」



皐月くんは困った様な顔になった。



「取り敢えず、俺としては“ごめん”じゃ無くて別の言葉が聞きたいんだけど」



皐月くん…



優しいね。