緋と微熱と狂想曲【上】





怖い要求されたらどうしよう。



“珈琲以外奢らなくて良いから現金よこせ!”とか。



皐、皐月くんはそんな人じゃ無いと思うけど…。



「条件は、」



「条件は──?」



ドクン、ドクン、



心臓が騒ぎ出す。



「条件は、合コンが終わってから言う」



皐月くんは小さく笑った。



「へ…?」



その言葉に私は拍子抜け。



「大丈夫、そんなに怖がらなくても。
嫌な要求はしないから」



皐月くんはそう言うと席を立った。



「ほら、早く依茉も立って。
合コンに行かないといけないんだろ?」



皐月くんの優しい言葉に、



「うん…!」



私も釣られて笑顔になって伝票を持ち、席を立った──。