緋と微熱と狂想曲【上】





皐月くんの声に、



「ほ、本当っ!?
有り難うっ!!」



私は椅子から立って飛び上がる程の勢いで喜んだ。



やった…!



これで今までの苦悩と心配が一気に吹き飛んだ。



これで和香も嫌な思いをしなくて済む!



私も助かるっ…!!



「本当に有り難うね、皐月くん!
珈琲だけじゃお礼足りないから他に何か奢って──」



「いや、奢るのは珈琲だけで良いよ。

依茉の彼氏になる代わりに一つ条件があるから」



私の言葉を遮って皐月くんは、にこっと笑った。



「条、件──?」



私はそれを聞いて身を固くした。



今の飛び上がる程の喜びの波が急激に引いていくのが分かった。



何だろう、条件って?