「…は!?」
私の口から飛び出た言葉を聞くと皐月くんは驚いた顔になった。
「お願い、皐月くん!
今日だけで良いから!」
私は珈琲カップを受け皿に置いた皐月くんの手を握って一気に捲し立てる。
「お願い、時間が無いの!」
「依茉…?」
「早く行かなくちゃ…」
皐月くんの手を掴む指が震える。
「行くって何処に?」
「~っ」
そんな私に気付いた皐月くんはまたしても気を遣ってくれたみたいだ。
「…取り敢えず、落ち着いて。
どう言う事か説明して」
皐月くんの優しい眼差しに、
「…分かった」
私は小さく頷いて平静を取り戻した。
皐月くんの手を離して椅子に座り直す。
「実は──」
